国際ボランティアには、観光地を巡りながら支援活動ができるパックツアーやオンラインで参加できるプログラム、2年に渡って海外協力隊員として活動するものなど多くのプロジェクト・団体が存在します。
国際ボランティアに参加するためには一体どうすれば良いのか、事前にどのようなこと・ものを準備すべきなのか、様々な面で迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では国際ボランティアを探す方法4つ、参加の手順、注意点を解説していきます。
目次
- 国際ボランティアとは
- 国際ボランティアを探す方法4つ
2-1.海外でボランティアを行う団体のスタッフとして登録する
2-2.旅行会社のボランティアツアーに申し込む
2-3.JICAの海外協力隊として参加する
2-4.募集サイトを利用する - 国際ボランティアへの参加方法
3-1.ボランティアの内容・期間・エリアなどを決める
3-2.団体・プロジェクトを探し、コンタクトを取る
3-3.参加条件を確認、事前の準備を行う - 国際ボランティアに参加する際の注意点
- まとめ
1.国際ボランティアとは
国際ボランティアは海外の国や地域に滞在し、現地で動植物の保護や子供達への教育などの支援活動を行います。オンラインでのコミュニケーションツールが普及した昨今では、英語で海外の子供と交流するプログラムなど、オンラインでの国際ボランティアの募集もあります。
ボランティアの期間や参加人数は様々で、1~3日の数人単位で行う短期プログラムもあれば1年以上に渡る数百人規模の長期プロジェクトなど多種多様です。
社会人に加え長期の休みが取りやすい学生ボランティアの参加が多い点が特徴で、企業の社員参加型プログラムとして地域との連携や社内のコミュニケーション活発化を目的に行われた事例もあります。
対象となる国と地域は東南アジア・アフリカなどの発展途上国に加え、アメリカ・ヨーロッパなど先進国で行うプロジェクトも存在します。
例えば、「青年海外協力隊・海外協力隊」などの国際ボランティアで知られる「JICA(独立行政法人国際協力機構)」ではこれまで92ヶ国にボランティアの派遣を行ってきました。
アジア・アフリカを始め北米・中南米など多くの地域に派遣されている事が分かります。
国際ボランティアの場合は、現地の語学を習得している事が要件という募集が多く含まれていますが、外国語が喋れない方向けに、現地に通訳が出来るコーディネーターがいるボランティアツアーもあります。自身の語学レベルに応じた活動を行いましょう。
2.国際ボランティアを探す方法4つ
国際ボランティアを探す方法には主に以下の4つがあります。
- 海外でボランティアを行う団体のスタッフとして登録する
- 旅行会社のボランティアツアーに申し込む
- JICAの海外協力隊として参加する
- 募集サイトを利用する
2-1.海外でボランティアを行う団体のスタッフとして登録する
海外でのボランティア活動を主としている団体(NPO・NGOなど)にスタッフとして登録し、国際ボランティア活動を行います。例えば、「国際ボランティアNGO NICE」「特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター」など多くの団体があります。
団体によっては、会費・年会費がかかりますので事前に確認しておきましょう。
2-2.旅行会社のボランティアツアーに申し込む
旅行会社のプログラムであるボランティアツアーに申込むことで、旅行先の国でボランティア活動ができます。観光スポットを巡りながらボランティア活動ができるツアーもあります。
「カンボジアで村の小学校の子どもたちに体育を教える活動7日間」、「マルタ共和国 猫の島で猫保護活動7日間」など様々な地域でジャンルの異なるプログラムが開催されています。
外国語をしゃべる事ができない方やボランティアへ初心者でも参加しやすい方法ですが、パックツアーとなりますので旅行としての費用がかかる点に注意しましょう。
2-3.JICAの海外協力隊として参加する
JICA(独立行政法人国際協力機構)は国際協力活動のための日本政府の予算により、ボランティア事業を実施する団体です。
主に開発途上国からの要請を基に、ニーズに合った技術・知識・経験を持ちボランティア活動を希望する方を募集し、選考・訓練を経て派遣します。対象となる方は20~69歳で日本国籍を持つ方です。
募集期間は春と秋の年2回で、活動分野は農林水産、保健衛生、教育文化、スポーツ、計画・行政など多岐にわたります。
派遣期間は基本的に2年間ですが、1ヶ月から参加できる短期派遣制度もあります。「本格的に国際ボランティアを行いたい」という方に適した方法ですが、長期派遣の場合には現在仕事をしておらず、今後数年間も就業する予定の無い方に限定されます。
2-4.募集サイトを利用する
募集サイトを通じ海外ボランティアに応募する方法です。例えば、海外・国際ボランティアを募集するサイトには、「Activo(アクティボ)」があります。
主にNPO団体やボランティアに関わる法人・旅行会社がツアー案内やボランティア募集を行っています。検索の「条件で絞り込む」機能で、活動テーマ(教育・災害・環境・貧困・人権など)、対象年齢や身分(社会人・学生・シニアなど)などの条件で絞り込み検索する事が出来ます。
このような募集ページを通じて興味のある団体に連絡を取ってみると良いでしょう。
3.国際ボランティアへの参加方法
- ボランティアの内容・期間・エリアなどを決める
- 団体・プロジェクトを探し、コンタクトを取る
- 条件を確認、事前の準備を行う
- ボランティア活動に参加へ
3-1.ボランティアの内容・期間・エリアなどを決める
まずはボランティアの活動内容・期間・活動先のエリアなどを決めましょう。社会人で長期休暇が取れる方は長期の活動が可能ですが、長期の休みがとりにくい方はオンライン又は短期の活動となります。
活動エリアは多くの地域がありますが、例えば、貧困の子供を支援したい方はアフリカや東南アジア、農業に興味のある方はヨーロッパの農園での農業体験ツアーなど活動したい内容でエリアが絞られてきます。
「活動費用・活動している間の生活費を準備できるか」という金銭面も重要なポイントとなります。
3-2.団体・プロジェクトを探し、コンタクトを取る
上記4つの方法で団体やツアー、プロジェクトなどを探し、希望の活動内容に沿ったものを選び所定の方法でコンタクトを取ります。
3-3.参加条件を確認、事前の準備を行う
希望する活動を行う団体に連絡を取り、活動期間・費用・エリアなど条件を確認します。希望に沿った活動内容・期間であるかと同時に自身の語学レベルやスキルでボランティア活動が出来るかという双方向での確認を行いましょう。
事前の準備としては、第一にパスポートの所有が必須となります。持っていない方はパスポートを取得しましょう。加えて2021年9月時点では海外に行く場合、新型コロナウイルスのワクチンを接種し、証明書を取得することが必要となります。
接種時にワクチンの接種券を発行した自治体に、パスポート・接種券のうち「予診のみ」部分(下図参照)、接種済証又は接種記録書などを持参し申請を行います。
必要な書類は自治体によって異なる可能性がありますので、役所に確認しておきましょう。その他、事前準備として、現地の言語や治安、インフラの状況を確認しておきましょう。
また、団体の一員としていく場合には他のスタッフに、ツアーとして参加する際には旅行会社などに、現地の様子を確認しておくと良いでしょう。治安が良くないエリアに行く場合には盗難防止グッズ、防犯ブザー・催涙スプレーなどの護身アイテムを持参した方が良いケースがあるためです。
国によっては複数の言語が使用されていますので、自身の語学レベルを確認し場合によっては翻訳機を準備します。医薬品や折り畳み傘、化粧をする方は化粧品などが必要となります。場所の寒暖によって日焼け止め、虫よけスプレー、カイロなども併せて持参しましょう。
事前に研修を受けるプロジェクトが多いため、メモ帳・ペンも必須となります。
4.国際ボランティアに参加する際の注意点
国際ボランティアに参加する際には、盗難や犯罪などトラブルに巻き込まれないよう事前にリサーチ・準備しておきましょう。
各国の平和の度合いを数値化した2021年版「世界平和度指数(GPI)」において、日本は12位と非常に治安の良い国と言えます。他の国、特に発展途上国と比較して日本の治安は良いため、国内と同じ防犯意識を持っていると、トラブルに巻き込まれてしまう確率が上がってしまいます。
発展途上国にいく方は、現地の治安状況を確認し、海外旅行保険に加入する、パスポートのコピーを取っておくなどの準備を行い、危ない場所には近づかない、夜9時以降は出歩かないなど犯罪などのトラブルに巻き込まれないように注意しましょう。
まとめ
国際ボランティアを希望する方は、活動内容・期間などを決めた後に、海外でボランティア活動を行う団体を探す、旅行会社のボランティアツアーをチェックするなどの方法で自身に適したプログラムを探しましょう。
海外渡航前には、ワクチン接種証明書・パスポートが必須となります。事前に現地の治安やインフラの状態を確認し、準備しておくことも重要です。この記事を参考に国際ボランティアに参加する方法を知り、実際の場面で活かしていきましょう。
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田中 あさみ
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