区民、団体、企業など地域の多様な主体がつながり、自主的・自立的に地域課題の解決や魅力創出に取り組む「協創」は広がっています。皆さんに「協創」を身近に感じていただくため、協創活動の事例を「協創info」としてご紹介していきます。
Vol.3はT&E JAPAN株式会社(以下「T&E JAPAN」という)が始めた児童養護施設で暮らす子どもたちへの自立支援「おせっかい子育てプロジェクト」の協創活動をご紹介します。
足立区内にある児童養護施設クリスマス・ヴィレッジ(以下「クリスマス・ヴィレッジ」という)で生活をしている子どもたちへの支援の輪が広がっています。
最近ニュースなどでよく耳にする「SDGs」。今回ご紹介する事例の「SDGs」17の目標は、次の通りです。
子どもたちの未来のために
「おせっかい子育てプロジェクト」は、足立区に本社事務所を構えるベビーアクセサリーメーカーT&E JAPAN代表の染谷江里さんが取り組んでいたアクセサリー製作等のワークショップを、足立区子どもの貧困対策・若年者支援課からの依頼で、新型コロナウイルス感染症の影響で課外活動が困難になってしまったクリスマス・ヴィレッジで暮らす子どもたち向けに開催したことから始まりました。
ワークショップは1回限りの開催予定でしたが、入所している子どもたちの境遇や、子どもたちが施設を退所後に自立した生活を送ることの難しさがあることなどを知り、「どんな境遇でも負い目を感じることなく、子どもたちが未来に希望を持てる社会を創る」必要があると感じ、継続的に支援する事に決めました。
※ワークショップ...参加者が主体となる体験型講座(セミナー)
アクセサリー製作にチャレンジ
広がる支援者の輪
令和3年5月13日、染谷さんを代表とする「一般社団法人おせっかい子育てプロジェクト」が設立されました。おせっかい子育てプロジェクトはワークショップの開催や職業体験を通して施設在園中から子どもたちの自立支援を行うと同時に、地域の方と触れ合う機会を作り、施設退所後も地域の方に見守られながら暮らせるよう地域とのネットワーク作りにも取り組んでいます。
ワークショップや職業体験を毎月1回実施し、様々な経験、体験を提供することで、子どもたちの自立を支援しています。ワークショップや職業体験はT&E JAPANだけが提供するのではなく、地域の方や区内事業者などへ支援を呼びかけ、支援者と連携して取り組んでいます。ワークショップに講師として参加をした方や地域の方からの紹介もあり、今では工作・ミニ畳作り・プログラミング・キャンプ体験・ヨガ・ダンス・手品・けん玉など、子どもたちへ提供される経験・体験は増え、講師やプロジェクトに参加する企業やボランティアも増えています。
支援者がつながり、連携を広げることで、子どもたちへの支援の輪が広がっています。
(職業体験の展開については次回の【協創info】Vol.4にてご紹介します!)
本棚製作に取り組む様子
第三の居場所づくり
支援はワークショップの提供にとどまりません。
子どもたちが児童養護施設・学校以外の場で大人や友達と安心して過ごせる「第三の居場所」づくりやクラウドファンディングによる退所する子どもたちへの生活支援、就職受入企業の募集や開拓にも取り組んでいます。
足立区内の子育て世帯やひとり親家庭に食料配達を行っている「一般社団法人チョイふる」では、施設を退所した足立区内で暮らす子どもたちのもとへ月1回から2回訪問し、食料配布等の支援をしています。
地域の方々や企業・団体による子どもたちへのこのような支援の輪がさらに広がることが期待されます。
子どもたち自身も第三の居場所づくりに参加。室内の塗装を体験
毎月1回開催されているワークショップ
毎月1回開催されているワークショップですが、新型コロナウイルス感染症の感染状況を考慮し、次回9月の開催は現在未定です。
ワークショップに参加する子どもたちは最初こそ緊張した様子を見せていましたが、何度も支援者と顔を合わせるうちに「あの先生は次いつくるの?」といった声が寄せられるなど、ワークショップを待ち望んでいるようです。子どもたちと地域の支援者との関係性は深まっています。
感染状況が落ち着き、ワークショップが開催される際は、皆さんもボランティアや講師としてワークショップに参加してみませんか?
室外で行われたワークショップの様子(キャンプ体験)
室外で行われたワークショップの様子(ヨガ)
児童養護施設
「児童養護施設」は児童福祉法に定められた児童福祉施設の1つ。予期できない災害や事故あるいは離婚や病気、また不適切な養育を受けているなど、家族による養育が困難な子どもたちを養護し、児童の心身の健やかな成長とその自立を支援する施設です。様々な事情により家族による養育が困難な原則2歳から18歳の子どもたちが生活しており、施設職員は入所者だけでなく、退所した子どもからの様々な相談にも対応しています。
クリスマス・ヴィレッジ自立支援コーディネーターの郡司さんは『児童養護施設で生活をしている、また退所した子どもたちは、「衣類などの日用品や、パソコン・Wi-Fiなどの学習環境が不足している」「季節の行事など、子どもの成長のために必要な体験不足」など、多くの課題を抱えている。』とお話しされていました。
今後も継続した支援を検討していきます。
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からの記事と詳細 ( 【協創info】Vol.3 ―協創があだちを変える― - city.adachi.tokyo.jp )
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