2021年06月27日16時10分
環太平洋連携協定(TPP)参加に向け、英国が加盟国との交渉を開始した。2018年のTPP発効後、加盟国が拡大する動きは初めて。太平洋を中心とした自由貿易圏に欧州の英国が参加する背景を探った。
―TPPとは。
日本やカナダ、オーストラリアなど11カ国が合意した広域の自由貿易・経済活動のルール。17年にトランプ前米大統領が離脱を表明後、再交渉を経て発効にこぎ着けた。農林水産品や工業製品の関税減免に加え、電子商取引や知的財産権の保護ルールを定めている。ブルネイ、チリ、マレーシア、ペルーの4カ国は国内手続きの遅れでまだ参加できていない。
―英国が参加する意義は。
世界的に保護主義的な傾向が強まる中、英国の参加によって自由貿易圏を広げ、TPPの価値を高めることができる。英国が参加すれば、加盟国の国内総生産(GDP)の世界全体に占める割合は12.8%から16.0%に、人口は6.6%から7.4%にそれぞれ上昇する。欧州連合(EU)を離脱した英国にとっても、新たな自由貿易圏参加への期待は大きい。
―今後のスケジュールは。
具体的な交渉は近く始まる見通しだ。関税の減免は、英国が各国と交渉する。電子商取引や国有企業に関するルールは英国が全面的に受け入れるのが前提で、投資家保護のルールの扱いが焦点の一つとなりそうだ。参加決定には少なくとも1年以上はかかるとみられる。
―ほかにTPPに関心を持つ国・地域は。
中国、韓国、台湾、タイが関心を示している。中国は参加に向けた研究を行っているとされるが、国有企業への補助金禁止といったルールを守れるか疑問視されている。
―米国の復帰は。
バイデン大統領は、新型コロナウイルスの感染拡大で傷んだ自国経済の立て直しを優先しているため、早期復帰は難しそうだ。
からの記事と詳細 ( TPP、なぜ英国と参加交渉? 自由貿易圏の拡大に期待―ニュースQ&A - 時事通信 )
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