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Friday, April 2, 2021

「人生は続く、生き続けて」 音楽で反貧困デモに参加する「アルバトロス」 4日新宿で出演 - 東京新聞

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熱唱するリーダー・仲地紀克さん=いずれも豊島区の池袋RED―Zoneで

熱唱するリーダー・仲地紀克さん=いずれも豊島区の池袋RED―Zoneで

 壊せ、そして、未来へつなげ 生きること諦めてんじゃねぇ―。主に都内で活動する音楽ユニット「ALBA/TOROS(アルバトロス)」が4日、新宿駅前で行われる反貧困のサウンドデモで、そんな思いを歌い上げる。新型コロナの影響で仕事が減り、自分たちも苦しい状況に陥った。困窮者の増加が続く中、当事者として発信する。

◆コロナで打撃 当事者として発信

 「僕らは歌うことでしか観客への感謝を還元できない。だから歌わせてもらいましょう」。リーダーのOshin(本名・仲地紀克)さん(29)がマイクに向かうと、メンバーのFixer(宜間ぎま拓真)さん(29)とRyou(宮崎亮)さん(31)も声をからした。

 豊島区・池袋の地下にあるライブハウス。2度目の緊急事態宣言が全面解除されて最初の土曜に当たる3月27日、2019年11月以来の単独ライブだった。

単独ライブで熱唱する音楽ユニット「アルバトロス」

単独ライブで熱唱する音楽ユニット「アルバトロス」

 楽曲提供などもしている仲地さんは、埼玉県のアパートで妻と3人の子どもと暮らす。ライブの観客が減り始めた昨年2月以降、仕事が減り、この1年の収入は以前の1割になった。実家から食品を送ってもらうなどしてしのいできたが、ガスなど公共料金の支払いが遅れてしまうこともある。持続化給付金は受給できたが、2度目の緊急事態宣言後は再び仕事がなくなった。

◆「今きつくても」困窮した人々に歌で力を

 派遣労働を始めた妻は、今月上旬で契約が切られることに。音楽活動に必要なネット費用も払えなくなる寸前だった。3月上旬、ネットで知った支援団体「新型コロナ災害緊急アクション」に連絡すると、すぐに事務局長の瀬戸大作さん(58)がかけつけた。

 演奏動画を見た瀬戸さんは、「困窮した表現者を大勢見ており、活躍できる場をつくりたかった。自死願望がある人も多く、彼らの音楽なら、みなの心に生きる希望を届けられる」と、デモ出演を依頼した。

 当日は、韓国の男性アイドルが自殺したときに「音楽でこそ、みんなを救いたい」と作った曲「Life Goes On」を披露する。デモの参加は初めてだが、「コロナ被害の当事者だし、貧困だし。生きてくれと叫んで、と言われたら行くしかない」と仲地さん。「今きつくても、後で振り返れば笑い話になるかもしれない。人生はこれからも続くからって」

 サウンドデモは「反貧困ネットワーク全国集会2021」の一環。午後1時から、新宿駅西口の小田急百貨店前である。アルバトロスのほかにも、当事者たちが路上から思いを叫ぶ。(中村真暁)

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