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Wednesday, August 19, 2020

米、中国の核軍縮参加を猶予 ロシアと連携探る - 日本経済新聞

【ワシントン=中村亮、モスクワ=小川知世】トランプ米政権は核軍縮をめぐり中国の参加を猶予し、ロシアとの2国間交渉を先行させる方針に転じた。11月の大統領選に向けて短期的な外交の成果を狙っているとみられる。将来的には中国に参加を促すためロシアとの連携を探る意味合いもある。

トランプ米大統領(右)は11月の大統領選に向けて外交での成果を目指している=ロイター

トランプ米大統領(右)は11月の大統領選に向けて外交での成果を目指している=ロイター

「いつかは中国も参加させる必要がある」。米国務省のマーシャル・ビリングスリー大統領特使(軍備管理担当)は18日、ロシアとの2日間にわたる核軍縮協議を終えてこう語った。これまでは中国が核戦力を急速に増強しているとして、米中ロで核軍縮の新しい枠組みに同時合意すべきだと訴えてきたが方針を撤回した。

代わりに米ロの新戦略兵器削減条約(新START)の延長をめぐりロシアと2国間交渉を進める考えを示した。延長の条件として全ての核戦力を制限対象にしたり、査察体制を強化したりすべきだと要求した。こうした要求事項を「政治的拘束力のある合意」にまとめる方針だ。ビリングスリー氏は「ボールはロシア側にある」と語って歩み寄りを求めた。

新STARTは戦略核弾頭に加え、長射程の運搬システムである大陸間弾道ミサイル(ICBM)や戦略爆撃機、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の配備数を制限する。

米は新STARTを「著しい欠陥がある合意」(ビリングスリー氏)と主張する。新たな要求はこうした欠陥を埋めるため全ての射程の核戦力を制限し、査察も充実させる狙いがある。新STARTは2021年2月に期限切れとなるため米ロ交渉に残された時間は少ない。

トランプ政権が中国の参加を猶予した理由について、オバマ政権下の国務省で軍縮政策を担当したプラネイ・バディ氏は「中国にこだわる限り大統領選前に成果が得られないと判断したのだろう」とみる。中国は米ロに比べ核戦力で劣っており、核軍縮協議を一貫して拒否してきた。

バディ氏は米政権が「政治的拘束力のある合意」を目指している点に触れ、短期的に成果を出しやすいと指摘する。合意は米ロ首脳による申し合わせを念頭に置いており、新STARTのように兵器の具体的な配備上限を決めたり、議会で批准したりする必要がないとみられる。

ただロシアは米国の要求に難色を示している。同国のリャプコフ外務次官は18日、「ロシアは代償を支払う用意はない」と述べた。米国が新たな条件を持ち出して、新START延長に対する決定を先送りにしているとの見解を示した。

全ての核戦力を制限対象に含めることへの警戒は強い。ロシアは射程が短く機動性が高い戦術核を北大西洋条約機構(NATO)に対する地域的な抑止力と位置づけて重視してきたからだ。保有数はロシアが米国を圧倒的に上回っており、大きな強みになっている。

米国は中国の核戦力を「喫緊の脅威」とみなす。当面はロシアとの交渉を優先するが、中国が核軍縮に参加すべきだとの考えを撤回していない。ビリングスリー氏は14日の日本経済新聞のインタビューで中国の軍拡について「ロシアにとって潜在的な脅威だ」と指摘した。トランプ政権は米ロの政治的合意で、中国に対して核軍縮に参加するよう求める文言を盛り込む考えとみられる。

トランプ政権は17年12月にまとめた国家安全保障戦略で、中ロをともに「修正主義勢力」とみなした。だがいまは「中国の脅威は冷戦期の旧ソ連以上だ」(ポンペオ国務長官)との見方が出るなど、中国を最大の脅威とみなす言動が目立つ。トランプ政権の元ホワイトハウス高官は「米国内世論を考慮するとハードルは高いが長期的には対中国でロシアと連携するのも一案だ」と語る。

中ロは反米を軸に軍事協力を深めており、米国は懸念を強める。「中ロに大規模な戦闘を同時に挑まれたら対処が困難だ」(共和党関係者)とみる。トランプ政権はロシアから中国への武器売却を受けて中国共産党高官への制裁に踏み切ったこともある。

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August 19, 2020 at 03:49PM
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