
業界関係者が一堂に会すようなカンファレンス(会議・展示会)は、米国では巨大ビジネスだ。参加者は新しい技術を総覧し、開発秘話を聞いて、関係者と出会ったり、再会したりできる。飛行機やホテル、レストランなどを利用するので経済的な波及効果も大きい。一方でどうしても「密」を伴うため、新型コロナウイルス危機で変革を求められた。
例えばテクノロジー業界で、何種類もの展示会を世界規模で手掛けてきたオライリー・メディア。なんとカンファレンス部門を閉鎖してしまった。その代わりに「オンライン・ラーニング」と称して多数のセッションをネット上で有料提供している。
同社はもともとテクノロジー関連の教科書会社として創業し、カンファレンス部門は後からできた事業だ。カンファレンスと並行して教科書ビジネスをオンライン提供してきたこともあり、原点に戻った格好だ。
テクノロジー開発企業のカンファレンスはバーチャルになって、しかも、後からでも閲覧できるようになったものが多い。米半導体大手のエヌビディアやアップルなどがそうだ。エヌビディアのケースでは、最高経営責任者(CEO)のジェンスン・フアン氏が自宅のキッチンから登場するという、コロナ禍ならではの親密感ある構成になっている。
バーチャル・カンファレンスは人々が一堂に会することはできないが、時間が重なって出られないことも多い分科セッションを見逃すことはない。リアルだと費用や時間などの面で参加できないものもあったが、バーチャルだと誰にでもオープンになる。

たきぐち・のりこ 上智大外国語(ドイツ語)卒。雑誌社、米スタンフォード大客員研究員を経てフリージャーナリストに。米シリコンバレー在住。大阪府出身。
筆者が最近、バーチャルで参加したものに「サンフランシスコ・デザインウィーク(SFDW)」がある。米サンフランシスコのデザイナーが登壇するもので、通常ならデザイン事務所の訪問機会も設けられている毎年開催のカンファレンスだ。今年のセッションはズームのような会議システムを利用して複数の登壇者が順に話す間、チャットで感想や質問が投稿できた。
事務所訪問は所員がカメラを持って回ってくれた。アバターで参加者同士が会話するツールもあった。リアル開催だった昨年の参加登録費は125ドル(約1万3300円)だったが、今年のバーチャル版は39ドルだった。
今、テクノロジー関係者が注目しているのはコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)の行方だろう。毎年1月にラスベガスで開催される世界最大級の展示会とカンファレンスで、主催者は2021年も決行すると発表している。消費者向けの製品開発や技術が一堂に集められ、関係者としては必見レベルだが、会場の大きさも参加者の数も桁外れだ。
CESからは「どうすれば安心して参加できますか」というアンケートが先日、メールで送られてきた。「参加者は感染テストすべきか」などの項目がある。主催者は物理的な会場は縮小し、デジタル・プラットフォームを拡張するとしているので、ひょっとすると先端的でハイブリッドなカンファレンスの形が、ここで見られるかもしれない。
[日経MJ2020年7月6日付]
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July 09, 2020 at 02:30AM
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大規模カンファレンスもネット移行 いつでも誰でも安心して参加 - 日本経済新聞
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