藤田医科大病院(愛知県豊明市)が、新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の治療薬の候補に挙がる抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」の臨床研究を近く始めることが分かった。早ければ今週中にも国の承認を得る見込み。患者を受け入れる県内外の他の医療機関も参加する「多施設共同研究」で、実際の患者への投与が可能になる。運営する学校法人藤田学園の星長清隆理事長(69)が本紙インタビューで明らかにした。
アビガンは基礎研究では新型コロナウイルスの増殖を抑える効果が確認されており、厚生労働省は重症患者への緊急的な投与を既に始めていると明らかにしている。臨床研究は一定程度の患者をグループに分け、薬の投与時期を決めてウイルス量の変化を見ることなどで、緊急的な投与より、薬の有効性や安全性をより評価しやすくなる利点があるとされる。「臨床研究法」に基づくもので、緊急的な投与とは手続き的に異なる。
臨床研究は症状がないか、比較的軽い患者が対象。アビガンをすぐに投与するグループと、5日ほどたってから投与するグループに分け、10日間、ウイルス量を調べる。ウイルスの減少が確認できれば、回復を早め、周りへの感染を減らす効果が期待できる。2グループでそれぞれ約40人に投与する計画。
藤田学園が4月に開院する予定の藤田医科大岡崎医療センター(同県岡崎市)では、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で新型コロナウイルスに感染した乗客ら100人以上を受け入れており、このうち肺炎を発症して県内の医療機関に搬送された患者も同意すれば投与対象になる。
星長理事長は「治療効果は未知数だが、感染拡大も懸念される中、やれることはやっていく」と話した。
安倍晋三首相は29日の記者会見で、アビガンを含む3つの薬について「患者の同意を得て使用することで、治療薬の早期開発につなげてまいりたい」と述べた。
(中日新聞)
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March 01, 2020 at 04:06AM
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藤田医科大、アビガン臨床研究 新型肺炎、他病院も参加可能に - 中日新聞
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