◾️調査のポイント
- 解禁月の3月、理系学生は学会参加のピーク。研究室滞在1日10時間超えが半数と両立に課題。一方で11.9%の学生は既に内定保持。
- 学内合説、学外合説参加を予定していた人が55.6%。コロナ感染予防による中止の受け皿が課題
- 「一律初任給廃止」「ジョブ型採用」へは概ね好意的。特に即戦力を期待される情報系で賛成の声。
ポイント1 解禁月の3月、理系学生は学会参加のピーク。研究室滞在1日10時間超えが半数と両立に課題。一方で11.9%の学生は既に内定保持。
3月1日に21卒就活解禁と本格的な就活シーズンの到来を迎えますが、3月は理系学生にとって学会参加が多い月。実に33.1%もの修士1年生が学会参加を予定してます。
学会参加月は準備等に追われ、研究室滞在が長くなる傾向にあります。下記の表の通り、1日10時間以上の滞在が55.1%(うち15時間以上滞在も15.8%)との驚くべき数字。加えて、新型コロナウイルスへの対策としてオンライン開催となる学会も多く、急な対応に追われ、ますます就活に向き合いづらい状況に置かれることが予想されます。
また、研究室滞在が長時間となることに比例して、就活に割ける時間も減少。1週間で1時間未満と1〜3時間未満が合わせて61.9%と研究と就活との両立に苦労する姿が見受けられます。
その一方で、既に内定(内々定)を保持している修士1年は11.9%。面接中に至っては25.1%との数字も。本格的な就活解禁前に早期で進捗を生んでいる状況も見て取れました。
ポイント2 学内合説、学外合説参加を予定していた人が55.6%。コロナ感染予防による中止の受け皿が課題
コロナ感染予防の各種イベントの中止が、理系就活生たちにも大きな影響を及ぼしている状況も見えてきました。
上記の表によると、学内、学外で開催される合同説明会に参加する予定だった修士1年の理系学生は、合わせて55.6%。一度に多くの企業とコンタクトの取れる貴重な場だったところ、相次ぐ中止は深刻な影響を与えそうです。リクルートキャリアは3月末まで、マイナビは3月15日まで全ての合同企業説明会を中止を発表していますが、各大学で行われる合同説明会については大学によって対応が分かれるところ。東大・東北大などは既に中止を決定しているようです。
理系学生にとって大きな機会損失とならない代替策が望まれますが、当社ではオンラインイベントを毎日開催することで理系学生と企業とのマッチングに繋げています。
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ポイント3 「一律初任給廃止」「ジョブ型採用」へは概ね好意的。特に即戦力を期待される情報系で賛成の声。
専門性や能力に応じた初任給を設定する「一律初任給廃止」、配属ガチャとも揶揄されるジョブローテションを避け、職種を固定した採用を行う「ジョブ型採用」。昨今の採用トレンドとして賛否の分かれるテーマに対しては、好意的な意見の方が上回るようでした。
一律初任給廃止についての声
- 大学院での専門性を身に着けようとするモチベーションアップにつながる(機械系)
- 当人が努力をして身につけた能力やスキルに対してそれに見合う待遇が用意されることは当然だと考える。(生物系)
- 日本の就活の「能力」ではなく「人物評価」が優先される実態がおかしいと感じている。その場合、大学・大学院に行く必要など無いと思います。(建築系)
- 成果主義を強くすることで、個人のスキル上げを目指し、他国の人材に負けないようするべきだと思う(物理系)
- 実力主義だと感じ、入社しておいていかれた時に確実に不安を感じ、転職の道を選びそう。(化学系)
- 能力のある人が給料をもらうのは当たり前であるが、企業が即戦力を求めすぎてしまい、雇ってから育てるという考えを放棄するようになってしまう可能性がある。(生物系)
ジョブ型採用についての声
- やりたいこととやることにギャップがなくなる。(情報系)
- 総合職一括採用の場合、入社後に職種のミスマッチが発生する可能性があるが、ジョブ型採用ならばそういうミスマッチも防げて、離職者も減少すると思う(化学系)
- 入る前から仕事にイメージがつくことは、入ってからのギャップを防ぐことに繋がると考えられる。(化学系)
- 就社という感じがなくてこちらのほうが良い(物理系)
- スキルが身に付いてプロフェッショナルになりそう。今後生き残っていくには専門性がいると思う。(生物系)
- 一生その道で仕事すると覚悟している人にとっては魅力的であるが,業種・業界を渡った幅広い活躍を望む人には悩ましい方式である(電気・電子系)
なお、ジョブ型採用については、特に情報系の学生において賛成の声が多く寄せられました。専門性やスキル・技術が明確であること、また特にAI・データサイエンスに知見のある情報系学生が売り手市場にあることを反映しているとも言えそうです。
【調査概要】
アンケート名称:「HR総研」×「LabBase」理系学生(院生)の実態調査
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)、LabBase(株式会社POL)
調査期間:2020年1月20日~2月3日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:理系学生(修士1年生、2年生)
有効回答:1,061件(修士1年生:82.5%、2年生:17.5%)
□LabBase(ラボベース)について
『LabBase』は学生がデータベース上に自分の研究内容やスキルを書きこむだけで、企業からのスカウトを受けられるという理系に特化したダイレクトリクルーティング型の就活サービスです。学生は研究を続けながら、自分の専門知識を活かせる企業を知ることができます。一方、企業側は一般的なナビサイトなどの就活サービスではリーチできない、優秀で専門性を持った学生に直接アプローチできます。
学生ページ:https://labbase.jp/
企業ページ:https://labbase.biz/
□会社概要
会社名 :株式会社POL
代表者 :代表取締役CEO 加茂倫明
設 立 :2016年9月23日
資本金 :518,130,500円 (資本準備金含む)
所在地 :〒100-0004 東京都千代田区大手町一丁目6番1号大手町ビル9階
コーポレートサイト:https://pol.co.jp/
□代表プロフィール
代表取締役CEO 加茂 倫明(かも みちあき)
灘中学校灘高等学校卒業。東京大学工学部3年休学中。
高校時代から起業を志し、国内外3社での長期インターンを経て、2016年9月にPOLを創業。
LabTech(研究×Technology)領域で研究者や理系学生の課題を解決して科学と社会の発展を加速すべく、研究内容をもとに優秀な理系学生をスカウトできる新卒採用サービスの『LabBase』、産学連携を加速する研究者データベース『LabBase X』などを運営している。
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February 27, 2020 at 06:00AM
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