アルゼンチン政府は、13歳以上の国民を対象に、団体旅行や人の集まる屋内外でのイベントへの参加に際して、新型コロナワクチン接種証明書である「衛生パス」の提示を2022年1月1日から義務付けると発表した。政府は、衛生パス導入の目的を「ワクチン接種をさらに促し、感染リスクの高い活動をより安全に行うため」としている。
2021年12月13日に公布した行政決議第1198/2021号によると、以下の活動に参加する13歳以上の国民は、参加する14日前までに2度のワクチン接種を完了したことを示す、衛生パスの提示が必要だ。
- 学生の修学旅行、高齢者の旅行などの団体旅行。
- 屋内でのディスコ、ダンスホールなど。
- 屋内でのパーティー会場など。
- 1,000人以上の屋内外でのイベント。
衛生パスは、政府指定のアプリ「CUIDAR(クイダール)」での表示が条件だが、アプリにアクセスできない場合は、管轄当局が発行する紙媒体またはデジタル版の接種証明の提示を認める。
なお、ブエノスアイレス州政府は、連邦政府よりも厳しい、衛生パスの導入を発表した。12月6日付のブエノスアイレス州決議第460-MJGM-2021号によると、2021年12月21日から以下の活動に参加する13歳以上の居住者には、参加する14日前までに2度のワクチン接種を完了したことを示す衛生パス「COVIDフリーパス」の提示を求める。
- 屋内での文化、スポーツ、宗教、娯楽などの活動で、文化センター、ジム、映画館、スポーツイベントなど。パーティー会場、ディスコ、結婚式、多くの人が集う集会、バー、レストラン。
- 州の公共施設において対面での対応を求める場合。
- 人が多く集まる民間機関において対面での対応を求める場合。
- 官民問わず、対面での顧客対応を行う労働者。
ブエノスアイレス市政府のフェルナン・キロス保健相は12月14日、市内ではこれまでもパーティー会場やイベントの参加にはワクチン接種が求められていたことから、「連邦政府の発表によって大きな変化は生じない」「市独自の衛生パスも導入しない」と述べた。
全国の12月13日時点のワクチン接種状況は、1回目接種完了が全国民の約82%、2度のワクチン接種完了は約68%となっている。3回目のブースター接種は、2度の接種が完了してから5カ月後に開始する予定だが、現時点で既に306万人以上(約6%)が接種済みだ。
(山木シルビア)
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