画像提供, Reuters
オーストラリア政府は21日、ヴィクトリア州と中国が結んでいた「一帯一路」構想参加協定を破棄すると発表した。中国政府はこの対応に怒りを表明し、両国の緊張関係がさらに高まっている。
オーストラリア政府は今回、中国とヴィクトリア州が結んでいた2つの協定を、新たに制定された権限を使って破棄した。国益を守る合意に違反しているためと説明している。
在豪中国大使館はこの動きを「挑発的だ」と批判。「両国の関係をさらに傷つけるもので、最終的にはオーストラリアにとって有害となる」とコメントした。
「オーストラリア政府が中豪関係を改善する気がないことを再び示すものだ」
オーストラリアでは先に、州政府や地方自治体、公立大学が諸外国と結んだ合意について国益を脅かす可能性がある場合、政府判断でこれを破棄できる法律が制定された。政府がこの法律を行使したのは今回が初めてだという。
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マリーズ・ペイン外相は中国との協定に加え、ヴィクトリア州がイランとシリアと結んでいた合意も破棄した。ひとつは2004年に同州教育省がイランと結んだ覚書。もうひとつは、シリアとの科学協力をめぐる協定。
ペイン外相は、これら4つの協定は「オーストラリアの外交方針と一致しないか、外交関係に有害なものだ」と説明した。
ABCのラジオ番組の取材で外相は、政府の方針を擁護し、中国が報復するとは思っていないと語った。
「オーストラリアは国益のために動いており、その点では非常に慎重に熟慮していると思う」
両国の緊張高まる
ヴィクトリア州は2018年と2019年に、それぞれ「一帯一路」構想に参加する旨の協定を締結。当時もオーストラリア政府のほか、当時のマイク・ポンペオ米国務長官から批判を受けた。
中国は世界貿易網を広げる目的で、「一帯一路」構想の下で各国の鉄道や道路、港に資金援助を行っている。しかし、いくつかの国ではそれが負債になってしまっている。
アメリカは特に、習近平国家主席の地政学的な影響力を高めようとする施策だとして、この構想は「負債外交」だと非難している。
中国はオーストラリアにとって最大の貿易相手国であり、新型コロナウイルスのパンデミック以前は、オーストラリアへの留学生に占める出身国の割合は中国が最も高かった。しかし関係が悪化するにつれ、外交や貿易での摩擦が増えてきている。
特に昨年4月、オーストラリアが中国を新型ウイルスの発生源として調査するよう強く求めたことで、貿易面での関係が悪化している。
オーストラリアはさらに、外国投資法の厳格化や、中国・華為技術(ファーウェイ)による第5世代移動通信システム(5G)構築を禁止するなど、中国の影響力を弱める施策を講じている。
それでもオーストラリア政府は、州などと外国の協定を破棄できる権限は、中国を意図したものではないとしている。ペイン外相は、地方自治体や公立大学からは1000件以上の外国との合意が報告されていると述べた。
からの記事と詳細 ( オーストラリア、州政府の「一帯一路」構想参加協定を破棄 - BBCニュース )
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