
バイデン大統領はことし1月の就任初日に、トランプ前政権下で離脱した国際的な枠組み「パリ協定」に復帰するための文書に署名しました。
さらに、国有地などでの原油や天然ガスの掘削を制限する大統領令に署名したほか、電気自動車の普及のためのインフラ整備や、再生可能エネルギー開発の支援に重点を置く政策を相次いで打ち出すなど、石油や天然ガスなどのエネルギー産業の保護を重視した前政権からの転換を進めています。
バイデン大統領としては、今回のサミットを通じて前政権からの戦略の転換を内外に示すとともに、国際協調を重視する姿勢を打ち出してこの分野でアメリカが再び主導的役割を果たす足がかりとしたい考えです。
アメリカは、世界の温室効果ガスの排出量でおよそ15%を占める、世界第2の排出国ですが、ブリンケン国務長官は「世界の残り85%の削減に失敗すれば、アメリカは気候変動との闘いに負ける」と述べるなど、各国との協力が不可欠だと強調しています。
中でも、世界最大の排出国である中国とは、人権や安全保障の問題をめぐり対立が深まっていますが、気候変動対策では協力が欠かせないという立場で、サミットを通じて、米中が協力できる分野では協力していくことを確認したい考えです。
また、バイデン政権は、気候変動対策に注力することで国内経済の構造転換をはかり、再生可能エネルギーの技術開発や普及を雇用の創出やビジネス機会の拡大につなげたいというねらいがあります。
一方で野党・共和党は、化石燃料からの脱却を進めれば国内で多くの雇用が失われ、経済的な打撃が大きいと主張し、結果的に中国やロシアを利することになると反発を強めています。
これに対し、民主党左派は、より積極的なインフラ投資などによって脱炭素社会の実現を目指すよう求めていて、気候変動対策をめぐってバイデン大統領は難しいかじ取りを迫られています。
からの記事と詳細 ( 気候変動サミットに世界の首脳40人参加と発表 アメリカ政府 - NHK NEWS WEB )
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