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Saturday, January 9, 2021

イエレン財務長官の就任が「ビットコインに追い風」?──どうなるバイデン政権の暗号資産政策 - コインデスク・ジャパン

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「バイデン政権では遅かれ早かれ、ビットコイン(BTC)などの暗号資産に規制が強化される」「暗号資産市場の発展を阻む」との予想がある一方、「究極の追い風となる」という真っ向から対立する声も聞こえてくる。

バイデン政権では、ジャネット・イエレン前FRB議長が財務長官に就任するといわれているが、本稿執筆時点(2021年1月6日)において、次期政権はビットコイン(BTC)を筆頭とする、暗号資産に関する見解や具体的な対応方針を発表していない。そう考えると、すぐに暗号資産が政策の主題となる可能性は低いだろう。

しかし、暗号資産やブロックチェーン技術の専門家が財務政策移行チームに参加するといった報道はある。

現時点でバイデン政権下で起こり得る変化を予想してみよう。

デジタル通貨に精通した財務政策移行チーム

暗号資産市場にとって“追い風”となる材料から確認すると、まず挙げられるのは、財務政策移行チームに暗号資産に精通した専門家が名を連ねていることだ。チームリーダーに任命されたのはゲイリー・ゲンスラー氏。彼はマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ・デジタル通貨イニシアチブのシニア・アドバイザーであり、また米商品先物取引委員会(CFTC)前会長でもある。

彼のほかに、同じくMITでデジタル通貨に関するリサーチプロジェクトに参加した経済学者サイモン・ジョンソン氏や、デジタルドルのコンセプトの生みの親の1人である、レブ・メナンド氏(コロンビア大学アカデミックフェロー兼法学教授)などが脇を固める。

トランプ政権は暗号資産に否定的だった。というのも、暗号資産はボラティリティが高く、規制されていないことを理由にグレーな行為に悪用されていたためだ。このため、バイデン氏の政権移行チームの人選について、ブロックチェーン・アソシエーション(Blockchain Association)のクリスティン・スミス氏(エグゼクティブ・ディレクター)は「良い兆候だ」と評価している。

「ハト派」イエレン財務長官で今後4~8年追い風に?

さらに、イエレン財務長官の就任が「今後4~8年にわたり、ビットコインにとって究極の追い風となる」との予想もある。そう予想しているのは、米国のデジタル資産投資企業モーガン・クリーク・デジタル(Morgan Creek Digital)の共同設立者アンソニー・ポンプリアーノ氏だ。

ポンプリアーノ氏は、「高インフレが実際に起こるかどうかに関係なく、高インフレの時代に突入することに対する投資家の恐怖心から、BTCは恩恵を受ける」と指摘している。

氏のロジックでは、今後米国で高インフレが生じればBTCの価格が上昇するし、たとえインフレが起こらなくても、投資家がインフレ対策として資産をBTCに移動させるため、価格は上昇するというのだ。

氏が「4〜8年」としているのは、イエレン氏の在任期間を想定した予想なのだろう。

バイデン氏は「反クリプト資産派」?規制強化がクリプト市場の発展を阻む?

このようなポジティブな予想と、真っ向から対立する見方もある。イエレン氏を「反クリプト資産派」と見なす専門家もいるのだ。

たしかにイエレン氏は「BTCは投機的な資産(2017年)」「取引の多くが違法で、反社会的なもの(2018年)」など、過去に否定的な発言をしている。

またバイデン氏本人も、上院に在籍していた時代に、「暗号化(encryption)」に反対する法案を2つも提案している。

バイデン政権で暗号資産への規制は強化される可能性はたしかにありそうだ。この点についてキプロスのデジタル通貨ヘッジファンドARK36のエグゼクティブ・ディレクター、ウルレク・ルゲ(Ulrik Lykke)氏は、「規制が強化されることで、投資家がより安全に市場に参加できるとの見方もある」と紹介する一方、「現段階において規制が増えるとクリプト市場の発展が損なわれるリスクが高まり、クリプト関連の起業家の焦点がイノベーションから規制の遵守に移る可能性がある」と述べている。

消費者・一般投資家保護のための規制は必要だが、行き過ぎるとイノベーションは生まれなくなる。これは暗号資産に限ったことではない。

ビットコイン価格は順調に上がり続けているが……

たしかにバイデン氏は過去、暗号資産フレンドリーな立場だったとは言いがたい。しかし暗号資産を取り巻く環境は大きく変わってきている。最近では、少し前まで暗号資産に対して静観の姿勢を崩さなかった大手金融機関ですら、暗号資産を持ち始めている。今後もバイデン氏が昔と変わらず暗号資産に否定的な立場を取り続けるとは限らない。

また財務政策移行チームの人選を見ると、もしかしたら単に圧力をかけるのではなく、慎重に規制環境の整備を強化する可能性も考えられる。

そして、新政権で最も注目されている政策の一つである対中政策を含め、貿易・経済対策なども、新政権が暗号資産をどう位置づけ、どう処していくのかを分析するためには見逃せない要素といえるだろう。そう考えると、財務長官の人選だけでは、暗号資産とどう向き合っていくのかは分からない。

昨年11月前半、バイデン氏の当選確実が報じられるとビットコイン(BTC)の価格は急落した。しかし2021年1月6日には3.5万ドル(約362万円)を上回り、史上最高値を更新した。4万ドル(約414万円)の壁すら超えた。専門家や識者たちの中には、ビットコインの価格がもっと上がると予想している人も少なくない。

ビットコイン価格が上がるか下がるか、ということだけでなく、暗号資産市場がどうなるのか、暗号資産そのものがどうなっていくのか。バイデン政権が大きな影響を与える可能性は小さくない。

文:アレン琴子
編集:濱田 優
画像:vasilis asvestas / Shutterstock.com

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