[ワシントン 20日 ロイター] - バイデン米大統領は就任初日の20日、新型コロナウイルスの対策強化に着手した。深刻化する国内の感染拡大を収束させるため、連邦庁舎内でのマスク着用義務化などの大統領令に署名した。
米国の新型コロナウイルス感染による死者は40万人に達しており、昨年末までに2000万回分を終える計画だったワクチン接種も大幅に遅れている。
バイデン氏はこの日の就任演説で「われわれは、ウイルス(感染拡大)において、恐らく最も厳しく最悪とされる局面に入りつつある。政治問題をいったん脇に置き、ひとつの国としてパンデミック(世界的大流行)に対峙する必要がある」と強調した。
ロイターのデータによると、過去7日間の米国の新規感染者の平均は約20万人、死者は平均3000人となっている。20日時点で入院患者は12万3000人を超えている。
米疾病管理予防センター(CDC)によると、既に承認済みの2つのワクチン約3600万回分が各州に送られているが、使用されたのは1650万回分に留まっている。大半は医療従事者向けで、多くの国民の予防接種は数カ月先になる見通し。
バイデン氏はこの日、新型コロナ対策として連邦政府施設内でのマスク着用を義務付ける大統領令に署名。ホワイトハウス内にコロナ対策の調整役ポストを新設するほか、世界保健機関(WHO)からの脱退も取りやめる。
さらに、WHOなどが主導する途上国のワクチン確保を支援する枠組み「COVAX(コバックス)」へ参加する意向を示した。
国連のグテレス事務総長は、米国のWHO復帰を歓迎すると指摘。ステファン・ドゥジャリク報道官も新型コロナ対策における国際協調において不可欠だと評価した。
同報道官は「新型コロナ対策でワクチンは重要な手段であり、米国のコバックス参加や支援は、全ての国の平等なワクチンアクセスという取り組みに勢いがつく」と述べた。
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