ボン・ジョヴィは1986年7月にカナダで開催されたジューダス・プリーストの<Fuel For Life>ツアーにオープニング・アクトとして参加したが、ジョン・ボン・ジョヴィはそれまでジューダス・プリーストの曲を聴いたことがなく、もっとポップ寄りのバンドとツアーをしたいと考えていたそうだ。
レコード会社は当時、ボン・ジョヴィをハード・ロック・バンドとして売り出していたが、ジョンには違う見解があったという。彼は英国の新聞『The Guardian』のインタビューでこう話している。「僕は、“カーズやブライアン・アダムス、それかポップ・グループとツアーしたい”って言ったんだ。でも、マネージャーから“いや。君たちはジューダス・プリーストやキッス、スコーピオンズなんかとのプレイを学ぶんだ。彼らのオーディエンスには忠誠心がある。ポップのオーディエンスは移り気だ”って言われた」
それで、ボン・ジョヴィは「これまで聴いたことがなかったヘヴィ・メタル・バンド」ジューダス・プリーストとのツアーに送り出されたという。彼らは見事、そこでジューダス・プリーストのファンの支持を得ることに成功したそうだ。
1986年の夏はボン・ジョヴィにとって転換期となった。このツアー中リリースした「You Give Love A Bad Name」が大ヒットし、翌月発表したサード・アルバム『Slippery When Wet』で全米1位を獲得している。9月に38スペシャルのツアーに参加したときは、オープニング・アクトの予定が、38スペシャルのマネージャーから「共ヘッドライナーにした方がいいんじゃないか」と言われたという。
Ako Suzuki
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