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Wednesday, January 20, 2021

29:業界イベントに参加するべき理由(2) - otocoto | こだわりの映画エンタメサイト - 株式会社ブックリスタ

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業界のプロフェッショナルに、様々な視点でエンターテインメント分野の話を語っていただく本企画。日本のゲーム・エンターテインメント黎明期から活躍し現在も最前線で業務に携わる、エンタメ・ストラテジストの内海州史が、ゲーム業界を中心とする、デジタル・エンターテインメント業界の歴史や業界最新トレンドの話を語ります。

28「業界イベントに参加するべき理由 (2)」はこちら

前回はゲームイベントの会場周りにまつわる話を書きましたが、後編では会場以外での活動について書いてみたいと思います。

私がソニー、セガ、ディズニーなどの大きな会社に属していたときは、ホテルの部屋を貸し切り、30分ごとに多くの開発会社やクリエイター、メディアとのミーティングを行い、開発会社のデモをみたり、売りたい作品のためのインタビューを受けたりします。

独立したり小規模な会社に所属していた時は、逆に各社にアポを取りながらファイナンスしてくれそうな会社が取ってあるホテルの部屋を回ったり、ホテルのロビーで会議をしたり、情報交換をしている知人を見つけ、彼らと情報交換をするのです。情報交換といっても、業界の人事の噂であったり、いろんなプロジェクトの裏話、アメリカのマーケットトレンドはどうなっているのか、どういう会社がどんな商品を探しているかなど、人によって内容は様々。

そして、夜にはゲーム会社各社がパーティを開き、日中とはまた違った情報交換をしたり食事やドリンクを楽しみながら交友を深めます。クラブ音楽に合わせて踊っている人たちがいるような結構うるさい環境でビール片手に大声で話をしたり、少し静かなコーナーを見つけて誰かと話し込んだりという混沌とした環境が多いため、日本人の多くの人は楽しめないようですが、若い時に踊ることが好きだったこともあり私はこの環境が大好きでした。ここで得られる情報も面白いものが多くうまく利用し楽しんでいたと思います(当時こういうパーティーで多く出くわした日本人がいたのですが、その方はグランツーリズモで有名な山内一典さんでした)。

ちなみに、ゲーム業界は当時も今も圧倒的に男性が多く、女性がいるとすぐに多くの人が接触してくる傾向もあり、当時私の会社にいた女性スタッフもパーティでいろんな人と知り合ってくるので、パーティへの参加は欠かせませんでした。

また、自分の年齢が少しあがってきた頃には、業界も同じく成熟化してきたのか、パーティーのバラエティも増えていました。例えば、結構上クラスの方のみの招待のみで、有名クリエイターやエグゼクティブなどの業界VIPが、レストランで食事をしたり、ホテルの部屋を貸し切りポーカーを楽しんだり、昔話をしたり、今の企みについて意見交換したり、はたまた人生について話し込んだり・・・業界の同志で旧交を確かめる場ともいえるでしょう。そのような交流を通じて、様々なインスピレーションを得、今後のマーケットに対する肌感を養い、仕掛けの準備をしていくわけです。

皆さんも、今後コンファレンスに出るような機会があれば、誰かにくっついてでも、パーティーや秘密のイベントなどに潜り込み、自身の感性を刺激してもらいたいと思います。また、withコロナ、afterコロナではきっと今までにないつながりの方法が出てくるでしょうから、どうやって新たな出会いやインスピレーションを得るのか、模索してもみると良いでしょう。

いわゆる、嗅覚というような、何がマーケットでおきているのかという羅針盤はエンターテインメントビジネスでは欠かせないのです。現在のところ私は、withコロナ、afterコロナの新たな環境の下での情報(感覚)収集はTwitter とYouTubeがベストなのかと思っているのですが、やはりリアルのカンファレンスを懐かしくは思います。これは、もしかしたら歳のせいなのかもしれませんが。

Entertainment Business Strategist
エンタメ・ストラテジスト
内海州史

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