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Wednesday, December 30, 2020

2020年バーチャルイベント総括:バーチャルに移行したGitLab Commitのケーススタディ(5/5) - THE BRIDGE,Inc. / 株式会社THE BRIDGE

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バーチャルへ移行したケーススタディ

(前回からのつづき)

創業時から完全リモートの企業でありDevOpsの大手「GitLab」は、バーチャルコミュニケーションについて不慣れなわけではなかったのだが、これまで「GitLab Commit」のような年次イベントやミートアップを物理的な会場で開催してきた。しかし2020年には、GitLabはMediaOpsと提携してCommit 2020をオンラインで開催し、Hopinとの継続的な契約も交わしている。

GitLab の企業イベントマネージャーであるEmily Kyle氏は、この規模のイベントをバーチャルに運営することに多くのメリットがあると指摘する。

「今年初めてのバーチャルユーザーカンファレンスを開催したことで、『誰もが貢献できる』という私たちの使命を果たすことができたと感じています。130カ国以上からの参加者を集め、参加者のプロフィールも幅広くすることができました。バーチャルで自由なフォーマットのイベントで、より多くの参加者を巻き込み、帰属意識を高めることができたのです。バーチャルイベントへの移行により、イベントの運営方法や、より安全で包括的な環境を作る可能性についてもより持続可能なアプローチに目を向けることができるようになりました」。

特に育児中の両親にとっては、これまで時間や移動の都合上、対面でのイベントに参加することに躊躇があったかもしれない。さらに言えば男女のバランスが取れていない業界では、オンラインイベントは女性には魅力的に映る可能性がある。

「男性が支配している分野で女性としてテック系のイベントに参加するのは問題があると感じることがあるのです。バーチャル環境はそのような問題点を軽減するのに役立っています。全体的に見て、世界的にコストや参入障壁が低くなり、競争の場が平準化されているのです」。

またオンライン・イベントへの移行は、どれだけの予算が割り当てられどこに使われているかという面でも大きな効果をもたらし、さらにスピーカー・プールの可能性を拡大させる。Kyle氏はメリットをこう話した。

「バーチャルイベントは非常に安価であり、企業がマーケティング費用を投入するための新たな手段になり得ます。また、移動コストを節約するためにアクセスできなかったかもしれないスピーカーを確保することにつながるのです。会場にかける費用を減らし、制作費を増やすことができるので、組織にとってより永続的なコンテンツ資産に投資することができます」。

一方でKyle氏はオンラインのみのイベントでは孤立感が増し「音信不通」になりやすいという指摘もしている。結局のところ、この移行は参加者と主催者にとって大きな学習曲線であり、企業は時間をかけて対応し、適応していく必要がある。彼は次のように指摘を続ける。

「対面ではないということは、ネットワーキングが異なるということであり、聴衆の注目度を推し量ることは、誰かがわざわざカレンダーをブロックして直接イベントに足を運ぶ場合よりも難しいということです。つまり、リードが以前とは同じ方法ではコンバージョンされない、ということですのでやはり調整が必要になるわけです。

バーチャルイベントのプラットフォームや質の面からも、できることはたくさんあります。オンラインイベントの開催方法は非常に多くの選択肢があるため、特にテクノロジーが急速に進化している現在では、スタッフはその都度、できることについて再教育を受けなければなりません。エンドユーザーに最適な体験を提供するためには、コミュニケーションとトレーニングに重点的に投資する必要があるのです」。

企業が2021年以降もハイブリッドモデルを採用する準備ができていることを示す証拠は十分にある。ヨーロッパを代表するテクノロジーカンファレンスであるWeb Summitは、来年、完全に自社開発したイベントプラットフォームを使用してハイブリッドモデルを採用すると公表した。ロイターはまた、パンデミックの際にこのアプローチで成功を収めたことを受けて、地元のネットワーキング・ミートアップとオンラインを組み合わせたハイブリッド・イベント・モデルを採用することを明らかにしている。

ハイブリッド・イベントが提供するのは柔軟性であり、企業が必要とするリソースを適切に割り当てることができる弾力性のあるアプローチだ。この構造は、時間や距離、アクセスのしやすさ、予算など、イベントを成功させるための障壁の多くを取り除いてくれるだろう。

2020年の出来事は、企業に立ち止まり何をなしたのか、また現状に意味があるのかを考えさせてくれた。Kyle氏は今後のイベントがどうなるのかについてこうコメントしてくれた。

「これからのイベントを無駄にせず単に消費するだけのものにしないためにも、対面でのイベントに戻る前により戦略的かつ効率的に進めていく方法に取り組みたいと考えています。なので戻れるからと無鉄砲に対面イベントに戻ろうとせず、まず、先にバーチャルイベントでの成功を見つけるべきだと思いますね」。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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