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Wednesday, November 4, 2020

製品開発力が足りない? ならば全員参加の開発会議を社長が毎週回せ アイリスオーヤマ・大山健太郎会長からの「選択問題」 - 日経ビジネスオンライン

全2889文字

 マスクの大増産で注目されるアイリスオーヤマ(仙台市)。「ピンチが必ずチャンスになる経営」を実践し、今期の売上高は前期比2000億円増の7000億円になる。

 大山健太郎会長が、その経営手法を余すことなく記した最新刊『いかなる時代環境でも利益を出す仕組み 』では、効率偏重の従来の「経営の王道」を次々に覆している。同書から、真に強い会社をつくるエッセンスを抽出した。


大山健太郎(おおやま・けんたろう)氏
アイリスオーヤマ会長。1945年生まれ。大阪で父親が経営していたプラスチック加工の大山ブロー工業所(1991年にアイリスオーヤマに社名変更)を、父の死に伴って64年、19歳で引き継ぐ。経営者を56年間と長きにわたり務め、生活用品メーカーからLED照明・家電メーカーに業容拡大。2018年会長就任(写真/尾苗清)

<特集全体の目次>
アイリス・大山健太郎会長が猛省したマネジメントの「欠陥」
・製品開発力が足りない? ならば全員参加の開発会議を社長が毎週回せ
・ユニクロとアイリスの共通点に学び、流通の主導権を握れ(11月6日公開)
・瞬発対応力 「稼働率7割以下」が成長には最適! これぞ瞬発力経営の極意(11月9日公開)
・組織活性力 会議欠席は厳禁! 情報格差をなくす(11月10日公開)
・利益管理力 発売後3年、開発社員が収支を見る理由(11月11日公開)


アイリスオーヤマの製品開発力
売れる製品を最速で大量に生む仕組み


毎週月曜に開く「プレゼン会議」。議長は大山晃弘社長(最前列で指を指す人)が務める

 顧客に必要とされる製品やサービスを継続的に世に送り出すことが、いかなる時代環境でも利益を出すための第一歩だ。

 従来は、ニッチ市場で高シェアを握るのが中小企業の「経営の王道」とされたが、予測不可能な環境変化には弱い。大山会長は町工場のときから「経常利益の50%を投資に回す」という基準を設けて、少しずつ製品群を広げてきた。

 では、どうすれば顧客に必要とされる製品を大量に作れるか。必要なのは「顧客を中心に開発が進む仕組み」だ。ここで言う顧客は、使う人(ユーザー)のこと。消費財メーカーなら、小売店や問屋はあくまで「買い手」。第一に考える相手は「使い手」である。

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