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Friday, August 14, 2020

ミャンマー、アジア諸国の超小型衛星群打ち上げ計画に参加(AFPBB News) - Yahoo!ニュース

(c)AFPBB News

【8月14日 AFP】ミャンマーで同国史上初となる人工衛星の打ち上げ準備が進められている。新興宇宙開発国同士の「意外な」共同開発計画に参加する意向を示しているのだ。  アジア9か国が開発を進めている、超小型衛星同士が連携する宇宙計画では、台風、地震活動、水流などの追跡調査や、土地の利用、作物の成長、病気の流行などのデータ収集が可能になると見込まれている。  フィリピン、ベトナム、インドネシアなどが参加するコンソーシアム(共同研究開発事業体)の中で最も経済面での発展が遅れているミャンマーにとっては、今回が初の宇宙事業となる。  地球環境を宇宙から観測することで得られる恩恵は、ミャンマーが投じる膨大な費用に見合うものだと、ミャンマー航空宇宙工学大学(Myanmar Aerospace Engineering University)のチー・トゥィン(Kyi Thwin)学長は話す。  ミャンマー中部の都市メティラ(Meiktila)近郊にある大学でAFPの取材に応じたトゥィン学長は「自国の衛星を自国で開発すれば単純に安上がりになる」と述べ、またこの技術はミャンマー経済にとって「一足飛びに躍進する」助けになるとの見解を示した。  それでもミャンマーがいる「軌道」は、まだ宇宙開発大国とは同じというわけではない。トゥィン学長が取材に応じた大学の建物はスペースシャトルの形をしているが、この最上部(シャトルの機首部分に当たる区画)の損壊部分を修理することもままならないほど、その予算に余裕はないのだ。  だが、技術的な進歩と協調の精神によって、人工衛星の打ち上げはもはや米国、ロシア、中国などの大国だけのものではなくなっているのは確かだ。  共同開発計画を主導する日本の二つの研究機関のうちの一つ、北海道大学(Hokkaido University)の高橋幸弘(Yukihiro Takahashi)氏はナイジェリアを例に挙げ、同国が人工衛星技術の安価な産出の世界的拠点となっていると指摘する。 ■「ミャンマーは主要なプレーヤー」  計画の目的は、毎年5基ほどの超小型衛星を打ち上げ、最終的に軌道上の衛星50基あまりをコンソーシアムで制御することだ。超小型衛星は1基の総重量が100キロ以下で、寿命は5年とされる。  ミャンマーが投じる最初の費用は1600万ドル(約17億円)で、天文学的に高額というわけではない。従来型の衛星打ち上げの費用1億ドル(約105億円)に比べれば数分の1程度だ。  打ち上げは国外で実施される見通しだが、ミャンマーは独自の地上管制センターを設け、日本の管制センターと連携する予定となっている。  高橋氏はAFPの取材に「ミャンマーは主要なプレーヤーのひとつになるに違いない」と語り、マレーシア、タイ、バングラデシュ、モンゴルなども後日、チームに加わる見込みだと述べた。  高橋氏によると、衛星の連携運用計画で使用するカメラは宇宙空間にあるものとしては最高性能を持つ一つとなり、ほぼ継続的に画像撮影ができるのだという。この画像データは台風や被災地などの3D(立体)モデルに変換される。  また、都市開発から森林伐採や違法採掘までの土地利用の変化も、衛星群で追跡調査できるという。 ■立ちはだかるコロナウイルス  ミャンマーからの第1陣である航空宇宙エンジニア7人は、数か月前にすでに荷造りを終えており、衛星の開発作業を進めるためにいつでも日本に赴く用意ができている。  だが、エンジニアらの渡航計画は新型コロナウイルスによる国境閉鎖に阻まれ、今もなお保留となっている。ミャンマー初の打ち上げは2021年上旬に予定されているため、残された時間もそう長くはない。  それでも、人との物理的距離を保ちながら先ごろ開催された概況報告会に出席したエンジニアの一人、トゥ・トゥ・アウン(Thu Thu Aung)さん(40)は、今回のプロジェクトに参加できてわくわくしていると語っていた。 「ミャンマーから、そして自分たちの大学から、宇宙空間に人工衛星を送り込むこと、これが私たちの夢」  映像は6月撮影、一部はミャンマー航空宇宙工学大学提供。(c)AFPBB News

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