新型コロナウイルス感染拡大にともなう緊急事態宣言が全面解除された。安倍晋三首相は「わずか1カ月半で、今回の流行をほぼ収束させることができた」と語っていたが、緊急事態宣言の解除と「流行の収束」はイコールではない。まだしばらくは流行再燃の可能性を意識しながら、「今までとは違う」生活を強いられることになるだろう。
ランニングのイベントも多くが中止された。マラソンの本格シーズンを迎える秋以降も、つくばマラソンを筆頭に中止を決めた大会が少なくない。エントリー開始を延期して様子を見守るところもある。11月開催では富士山マラソン、大阪マラソン、12月開催では湘南国際マラソン、NAHAマラソン、青島太平洋マラソンなどが主なところだ。すでに受け付け終了している神戸マラソンも抽選発表と参加費入金の時期を見合わせる可能性がある。
秋から新型コロナの「第2波」が到来するという観測もあるので、これは仕方のないことだろう。
こうした中、レースに出られない“自粛ランナー”たちに少しでも気分を盛り上げてもらおうと「全日本インターネットマラソン選手権」なる大会がネット上で始まった。主催は、2010年から首都圏を中心にマラソンやジョギング、ウォーキング、ドッグランなどのイベントを行っているNPO法人日本アウトフィットネス協会だ。毎年、千葉市「昭和の森」でのサマークロスカントリーin千葉(7月)など年間24の大会を主催し、参加者は男女合わせて1万6千人を数えるという。
協会は、こうしたアウトドアでのリアルイベントのほか、ネット上で走った距離を記録する「ランナーズマイレージクラブ」というのもやっている。参加無料で、とにかく練習でも大会でも走った距離を毎日「報告」すると、それが記録として蓄積されるシステムだ。月間の走行距離、最近3カ月の走行距離、年間走行距離、そして記録を開始してからの通算走行距離が表示される。
通算走行距離が218kmを超えると「ひとり箱根駅伝」クリア、2618kmを突破すると「日本縦断」クリアといった具合に目標設定されている。以後、「日本一周」「アメリカ大陸横断」「ヨーロッパ大陸横断」「アジア大陸横断」と続き、「世界一周」2万9694kmを目指すというもの。なるほど、こうした目標があればリアルの大会がなくてもモチベーションが維持できそうだ。
全日本インターネットマラソン選手権は、このシステムを利用したバーチャルな大会だ。3km、5km、10km、30kmなどの種目があり、決められた期間に自分の好きな場所で規定の距離を走り、そのタイムを報告するだけ。こちらも参加無料で、大会終了後に総合順位、年代別順位、都道府県別順位が発表される。さらに、希望者には有償(100円~300円)で「記録証」が発行され、上位入賞者には「賞状」(500円)と「メダル」(300円)まで用意されている。
「今日からランナー」の筆者としては、これは参加しないわけにはいかないだろう。
記念すべき第1回大会は緊急事態宣言の真っただ中の5月2日~10日が設定された。正直、新型コロナの“おこもり”のせいで、体重計にのるのがちょっと怖い状況が続いている。練習も、ランニング学会の教えに従い、ジョギング程度にとどめていた。タイムトライアルなんて実にひさしぶりだ……。などと思案の末、5月2週目の週末にチャレンジすることに決めた。9日土曜日に5km走って、翌10日日曜日は10kmにエントリーだ。よ~し、頑張るぞ!
コースはかつてよく練習に使っていた、「勝手知ったる」荒川の河川敷にして、スタート地点とゴールの目安を決めた。1日目のスタート前、もし調子よく走れたらそのまま10km走り切ろうかとの思いが頭をよぎるが、結論をいうと全然ダメだった。練習不足と体重増が災いして、キロ6(初心者が目標とする1km6分ペース)でも走れなかった。悔しい……。しかし、これが今の私の実力なのだ。翌10日は朝から雨が降っていた。う~ん、リアルな大会だったら渋々出て行くのだが、どうしよう? 一瞬だけ考えたが、風邪でもひいたら大変だ、とかなんとか言い訳を見つけて2日目はDNS(エントリーしながら参加しなかったこと=Did not start)にした。
結局、記録は5kmの部のみ(1回に2種目まで参加可能)で32分28秒もかかった。これをランナーズマイレージクラブのシステムを使って報告する。すると後日、事務局からリザルト(大会結果)のURLとパスワードが送られてきた。タイムはダメダメだったが、一応順位は気になる。ドキドキしながらアクセスした。男子5kmの部、なんと総合19位だ! もっとも参加者は22人だったが(笑)。でも、ビリでないので、まあ「よし」としよう。年代別では6位(参加9人)、都道府県別では4位だった(同5人)。いや、これはなかなか面白い。
第1回の参加者は10代~70代まで、男子59人、女子22人の計81人だった。首都圏だけでなく、北海道、福島、愛知、福岡からの参加もあった。大会の考案者で日本アウトフィットネス協会代表の江隈昭人さん(64)によると、当面はトライアル期間の試行錯誤で徐々に大きくしていくという。あと数回やれば、参加者も千人単位で増えるだろうと。楽しみだ。
「ネットマラソンのシステムはもう10年前にできていました。もともと協会のメインの活動はネットのつもりで、リアルの大会は『オフ会』のつもりだったんです。ところが、折からのマラソンブームでリアル大会の人気が出て、参加者がどんどん増えた。おかげで、ネットマラソンは開催されずに放置されたままだったんです」(江隈さん)
それが、新型コロナのおかげでにわかに“復活”することになったわけだ。「こんな状況ですから、ランナーの人たちに少しでも楽しんでもらえればと思って……」と江隈さん。「ぜひ、続けてほしい」といった反響がいくつかあり、「記録証」の申し込みも10人以上あったという(もちろん、私も申し込んだ)。とりあえず、初回の試みとしては成功だ。
今後は月1回程度の開催を目指すという。次回は6月27日(土)、28日(日)の週末を予定している。参加無料、申し込み方法は下記のURLを参照してほしい。
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第2回全日本インターネットマラソン選手権
https://earthrunclub.net/competition/20200627_alljapan_netmarathon_02/
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